義父 海に還る
5/4(日) 14:15 義父が海に還った。
幼くして父親を亡くした私は父親像と言うものを
持たないまま大人になった。
しかし、妻と結婚することで私も父親という存在を持つことが
出来た。
以降15年間義父は本当に色んなことを教えてくれた。
口下手で言葉少なな義父であったが、強く、たくましく
笑顔で、器が大きく、そしていつも礼節を重んじる義父であった。
亡くなった日も、周囲の人に感謝の言葉を述べ、最後の
最後まで力強く生きてくれた。父親はこうあるべきということを
身を持って私に教えてくれた。
本当に尊敬すべき、自慢の父親である。
まだまだ教えてもらいたいことはたくさんあったが、義父は
いつも私の心の中にいると信じているし、海に還っただけだと
考えている。
だから、海に行けばいつでも会えるし、これから何か困難なことに
遭遇したら海に行って義父から元気をもらおうと思う。
いつしか、自然に実の父親のように思えてくるようになるまで、
私の事を、実の息子と同様に接してくれたことに対し、深く感謝する。
時が経つのは早いもので、義父が海に還ってからもう一週間が過ぎた。
いまだに、ふっと出てきて声をかけられそうなくらい実感はないが、
悲しんでばかりもいられない。
私は義父から託された事がある。義母のことである。
義父は最後の最後まで、義母のことを心配し、私に託していった。
義母は8ケ月に渡り義父と共に病と闘い、最後の2~3ヶ月は、ろくに
睡眠も食事も取っていない。
これからは、ゆっくり寝ていっぱい食べれるように精神的な支えに
なれればと考えている。
父よ、安らかにお眠り下さい。